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格闘技論R59 〜道場訓
 
 ある土曜の夕方、ひっそりと世界空手道大会(新極真会)の模様が放映されていた。
決勝戦で、塚越孝行がドナタス・イムブラス(リトアニア)を破り、「空手ニッポン」を死守した。
試合後のインタビューで「丈夫に生んでくれた両親に感謝、空手に専念させてくれた妻に感謝」と男泣きしながら語っていた。
その言葉の重厚なこと。
一言で「世界大会優勝」と簡単に言っても、それこそ地獄をのた打ち回るような苦しさがあったに違いない。
この塚越孝行といい、思わぬ形で有名になったボクシング世界王者・内藤大助ら本当に強く偉大な選手たちがもっと世間に届いてほしいと思う。
極真といえば、私は昔から極真の道場訓が好きである。
・吾々は心身を練磨し確固不抜の心技を極めること
・吾々は武の真髄を極め機に発し感に敏なること
・吾々は質実剛健をもって克己の精神を涵養すること
・吾々は礼節を重んじ長上を敬し粗暴の振舞いを慎むこと
・吾々は神仏を尊い謙譲の美徳を忘れざること
・吾々は知性と体力を向上させ毎に望んで過たざること
・吾々は生涯の修行を空手の道に通じ極真の道を全うすること
 数ある道場訓の中で、最高傑作であると思う。
これは、故・大山倍達総裁が小説「宮本武蔵」の作者・吉川英治に依頼して作ってもらったことは有名。
それともう一つ私の好きな道場訓(というより人生訓)がこれだ。
 「苦しいこともあるだろう 言いたいこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっとこらえていくのが男の修行である」
 これは連合艦隊司令長官・山本五十六の名言である。
対米戦争に反対を唱えていた五十六が、皮肉にもその戦争の総指揮官となった苦悩と矛盾を込めた言葉だろう。
これはロス五輪金メダリストで日大レスリング部の富山英明監督も好きで、道場に掲げてある。
五十六の言葉に指導者向けの言葉もある。
「やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ」
 納得!

 (フリードリッヒ)
 

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