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格闘技論R54 〜ミルコが柔術家のハイキックでKO!?
 
 スポーツ新聞を見て、一瞬目を疑った。
「ミルコ、ハイキックでKO『負け』」。
ミルコ、ハイキックでKO〜という活字は見慣れた見出しだが、「負け」である。
UFCのミルコ・クロコップとブラジリアン柔術のガブリエル・ゴンザカの一戦のことである。
「金網の闘い方に慣れていなかった」「ヒジで顔面をこすられて意識朦朧としたところに当たってしまった」と、ミルコを擁護するような論調もあるが、「KO負け」という事実が強烈に残ってしまった。
これで、ヒョードル戦どころか、UFCヘビー級王者ランディー・クートゥア戦も遠のいてしまったのではないか?それにしても、総合格闘技到来と共に日本に上陸したグレーシー柔術やブラジリアン柔術で、一気に脚光を浴びた「柔術」だが、グレーシーは桜庭一人にやられ、ブラジリアン柔術も印象ではシュートボクセの影に隠れた感じだ。
しかし、このような試合でまた盛り返すところが柔術の怖さであり奥深さである。ミルコはこれでノゲイラ戦以来、対柔術2敗目になる。ところで、これだけ格闘技人気がありながら、私の周囲に空手や柔道の選手は多数いるものの、柔術家というのはいない。
ブラジリアン柔術はあくまで総合格闘技を想定したスポーツに近いものだが、日本の○○流合気柔術となると、「門外不出」「秘伝」といった神秘性が感じられる。
私が始めて出会った柔術家は、学生時代横田基地でのバイト仲間。
これがある意味強烈な印象を残した。
「私は針一本あればどんな男にも勝てる」「この位の石は簡単に割れる」などと言いながら、頼んでもいないのに石を割ってみせる。
デモンストレーション(示威行為)の多い男だった。
話を聞くと、柔術界ではかなり名の知れた流派で、その先生も格闘技マニアなら一度は聞いたことのある高名な柔術家。
「○○先生は、人間的にも優れた人物でないと柔術は教えない」と、暗に自らを高く評価したり、とにかく我々レスラー仲間から冷笑された男だった。
現在、私の周囲にいる空手、柔道、合気道に打ち込む男たちは「謙譲の美徳」を忘れない、「武道家」といえる人物ばかりである。
話が思い切りそれて申し訳ない。
 
  押忍!
 
 (フリードリッヒ)
 

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